さようなら、ラブ子



■よしもとばなな

■新潮文庫
■2005年3月発行
■476円(税別)


よしもとばなな公式サイト に連載されている、彼女の日記。
ラブ子とは、彼女が飼っていたラブラドール・リトリバーだ。(あまりにもベタなネーミング・・・)
この公式サイトの日記は、最初から読んでいるはずなのですが、ラブちゃんが
いつごろ、どういう病気になったのかは私は覚えていない。書いてないのかもしれないが。
この本を読んで察するに、口の中に悪性の腫瘍ができて死に至ったらしい。
私も、リンパ腫で愛猫を失っているので、彼女の境遇はとても共感できる。
ガンは体を痩せさせるから、日に日に細くなっていく愛猫を見るのはつらかった。
死んだときはわあわあ泣いたし、悲しかったけれども、できる限りのことはしたつもり
だったので、深刻なペットロスにはならずに済んだし、悔いはなかった。
病気のペットに対するスタンスも、私と似ていたのですんなり納得して読んだ。
それは、できるだけふつうにして、看病は手を抜かずにするということだ。
彼女の周囲には、外出がちな彼女を責める人もいたらしいが、つきっきりになると
いうのもちょっとな〜と私は思っていたので、普通に生活していた彼女に共感できる。
おもしろいことがあれば笑うし、用事があれば出かけるし、だけどちゃんと薬を服ませ、
病院に連れていくなどということをちゃんとやるのがベストだと思う。
四苦八苦して薬を服ませた後は、感情を100%全開にして「いいこだねえ、かわいいねえ!」
と抱きしめた。愛されているということがわかってくれたらいいなと思っていた。
この本には、サイトに寄せられた質問とそれに対する回答も載っているのですが、
中にこういうのがありました。彼女の回答からです。

そして犬は飼い主のためだけに生きているので、本人?が飼い主に看取られたければ、
外出中には絶対に死にません。見られたくない子だったら、必ず留守中に死にます。

私の場合は猫だった訳ですが、夫とテレビを観ている最中に死にました。
すくっと立ってよろよろと私の机の引き出しの後ろに行こうとしたのですが、
抱き寄せて名前を呼びながら撫でたら、私の腕のなかで息をひきとりました。
もしも、引き出しの後ろで逝きたかったのならば、申し訳ないことをしたのでは
ないかと思っています。




Posted: 日 - 8月 14, 2005 at 05:00 午後              

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