パリよ、こんにちは



■林真理子・椎名誠・盛田隆二・松本侑子・狗飼恭子・唯川恵

■角川書店
■2005年12月初版発行
■1470円(税別)
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KIZAEMON・林真理子
パリに鳴り物入りでオープンした日本料理店「KIZAEMON」のオーナーシェフ・祐一と、
高級ブティックに勤める由利。情熱的だった二人の恋は、「KIZAEMON」のパリ撤退の噂とともに
危機を迎える。
パリの恋だからこそ、諦めなければいけないこともあると、わかっていたはずだったのに……。

パリの裸の王様・椎名誠
なんと、初めての海外はパリだった。スポンサー丸抱えの出張で。パリに出店したデパートの取材に
出かけたのだ。お洒落な街に放り出された風変わりな一行が過ごした、楽しく懐かしくもほろ苦い日々。

心はいつもそばにいる・盛田隆二
アメリに憧れている11歳のしおりは、パリでの旅行中、親の目を盗んで冒険へ。
道中で出会ったモロッコ人のタクシードライバー・サイードには、突如日本に帰ってしまった妻がいた。
大人びた少女が見つめる両親の離婚と再婚、モロッコ人と日本人の切ない恋の背景。

夜ごとの美女・松本侑子
セーヌ左岸に毎夜、まぼろしのように現れる美女。彼女に胸を高鳴らせる学生・マルタン。
二人は互いに惹かれ合ったが、ひょんなきっかけで二人の恋は破れ……。
40年後、マルタンが知った意外な結末とは。

東京がパリになる日・狗飼恭子
仕事はしていないけど最高に素直で優しい年下の恋人は、パリに旅行に行きたいと言った。
前に行ったときよりも、ずっとずっと楽しいパリ旅行になるはずだったのに。
突然訪れたのは、東京がパリに飲み込まれるよりもずっとありえない結末だった——。

婚前・唯川恵
33歳の亜紀子と36歳の久雄は、結婚式とパリへの新婚旅行を目前に控えて幸せを実感していた。
しかし、新居の郵便受けに差出人も宛先も書かれていない1本のビデオテープが投げ込まれ、
互いに隠しておきたい過去が、それぞれの胸に去来する……。

「パリ」に想像の翼を羽ばたかせるのは、「KIZAEMON」と「心はいつもそばにいる」と
「夜ごとの美女」ですね。椎名さんのは、小説でなくエッセイでした。
「KIZAEMON」は、かなり読み手を引き込ませます。
パリにおける日本人の位置づけも興味深い。パリで暮らしてみたくなる。
林真理子さんはかなりパリに詳しいんですね。
「心はいつもそばにある」は、一番気に入りました。
純愛です。せつないです。
この作家さんの小説は初めて読んだのですが、他の作品も読んでみたいな。
「夜ごとの美女」は、物語としてとてもおもしろい。
クラシカルな語り口の文章が、古いパリの街並みを思い浮かばせます。

今回は図書館で借りたのですが、「心はいつもそばにいる」を繰り返し読みたいので
文庫になったら購入したいと思います。



Posted: 日 - 3月 19, 2006 at 11:00 午後              

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