自転車少年記



■竹内真

■新潮社
■2004年5月初版発行
■1900円(税別)
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幼い昇平の乗った自転車がスピードを出しすぎて飛びこんでしまったのは、
草太の家の庭だった。
ふたりは、その日、生涯の友と出会う。
海まで必至にペダルをこいだ。強豪高校レースで挑んだ。
そして、東京発糸魚川行きの自転車ラリーを創った。もちろん素敵な恋もした。
爽快無類の成長小説。

田崎さんにお借りしました。ありがとうございます。

4歳の昇平と草太が出会ってから、小学校、中学校、高校、大学・専門学校、
そして就職、結婚と、自転車とともに成長していく様子を綴った大作です。

銀色に輝く翼を手に入れた昇平と草太は、明日へ続く道を、全速力で駆け抜ける。
少年が大人になるまで、ふたつの魂の長距離走。

「ふたつの魂の長距離走」とあるように、物語は、昇平・草太、それぞれの
エピソードで構成されています。
努力家で謙虚な草太、お調子者で極楽トンボのような昇平。
そんなふたりが選んだ自転車も対照的です。
草太はロードレーサー、昇平はマウンテンバイク。
進む道も違っています。
けれども、ふたりの友情は固いきずなで結ばれています。

おもしろかったです。3日かかりましたが、かなり引き込まれて読みました。
自転車ってステキだな、と思いました。
文中に「自転車にバックギアはない」という言葉があるのですが、かっこいいですね。
レース用の自転車を使えば1日に300キロも走れることも、車輪をはずして持ち運ぶ
「輪行」という単語も、自転車レースの詳細も、この本で知ることができました。

自転車って、男の人には特別なものなんでしょうか。
たまに、派手なサイクルウェアに身をつつんでレース用のシャープな自転車に乗っている人を
見かけますが、女性ってほとんどいないような気がします。
女性にとって、自転車って、生活する上での交通手段に過ぎないのかもしれません。
私はそうですもん。
中学生のとき、昇平と草太のように、友達と海まで自転車で行ったことがあります。
このときだって、自転車しか選択肢がなかったから自転車で行ったのであって、
自転車に乗ることを楽しむために乗った訳ではなかったです。

銀色の翼は、永遠の少年だけのものなのかもしれませんね。









Posted: 月 - 3月 27, 2006 at 09:36 午後              

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