ビトウィン



■川上健一

■集英社
■2005年3月初版発行
■1400円(税別)
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田崎さんのレビュー を読んで読みたくなり、図書館で借りてきました。

肝臓をこわして雨鱒の川 を最後に休筆した筆者が次の作品にとりかかるまでの
八ケ岳南麓の村での「慢性的手元不如意」状態のbetween生活を綴ったもの。
筆者の元に東京から家出をしてきた奥さん、無邪気な娘のヅキちゃんをはじめとした
愉快な仲間たちが織りなす思わずうふふと笑ってしまう数々のエピソード。

我が家も現在ビトウィン生活中です。
夫はシステムエンジニアという仕事に見切りをつけ、第二種電気工事士 の資格をとるために
ユーキャン通信教育講座 で勉強をしつつ、プリマハム でアルバイトをしています。
当然「慢性的手元不如意」です。
川上さんは「貧乏で笑ってしまう」と書いていますが本当にそうなのです。
人間、深刻になるのを通り越すと笑ってしまうのです。
だけど、笑った後に「この先どうなっちゃうのかなあ・・・」と途方にくれる私は
まだまだビトウィン生活に対して修業が足りないのかもしれません。
川上さんが「翼はいつまでも 」を上梓するまでの年月は10年。
そんな長い間、貧乏生活を明るく過ごしたこの一家を尊敬せずにはいられません。
「翼はいつまでも」は本の雑誌 の2001年度ベストワンに選ばれ、
2002年には第17回坪田譲治文学賞 を受賞した名作です。
ビトウィン生活が辛く苦しいものであったら、そんな名作を書くことはできなかったでしょう。
我が家のビトウィン生活はいつまで続くのかわかりません。
だけど、辛く苦しい気持ちで過ごしていたら、よい結果にはならないことでしょう。
幸い、夫とは仲良くやっています。
電気工事士の試験に合格し、慢性的不如意を解決できる仕事に就いてもらう日まで、
ビトウィン生活を満喫しようと思います。








Posted: 日 - 4月 2, 2006 at 11:33 午後              

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