ワーキングガール・ウォーズ



■柴田よしき

■新潮社
■2004年10月初版発行
■1400円(税別)
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37歳女性、独身、一流企業企画部管理職、マンション持ち。
イジワルな言い方をすれば「負け犬」、カッコイイ言い方をすれば「キャリアウーマン」。
そんな墨田翔子は、いつもROMしているあるメーリングリストにふとした気まぐれで
メールを投稿する。
『今度、お休みをとってケアンズという町に旅行してみようかと思っています。
 どなたかケアンズについてご存知の方がいらっしゃいましたら、どんなところなのか教えてください』
たくさん届いた返事の中で1通、気になるメールがあった。
『わたしは今、ケアンズに住んでいます。こちらで日本の旅行代理店の現地支店に勤めています』
そのメールを書いたのは、嵯峨野愛美29歳。日本の短大を卒業した後一旦就職したものの、
22歳と2か月でブチ切れて退職、ハワイ大学に留学。卒業後、日本の旅行代理店に就職し、
オーストラリア・ケアンズ勤務となった女の子だ。
翔子は愛美の勤める旅行代理店を使ってケアンズ旅行をすることになり、ふたりはケアンズで
初対面をするのだが、ふたりの関係は意外な展開をみせる。

物語はふたりの視点からの短編小説によって進んでゆきます。
私にとって、クリエイティブな職場の管理職の仕事も、外国での仕事も、未知の世界で、
とっても楽しく読みました。
翔子・愛美、どちらのストーリーも「あたし」という一人称で書かれていて、そして
女の本音に忌憚なく迫っていて、なかなかでした。
翔子のオフィスでの物語はちょっぴりミステリータッチになっていて、それも楽しいです。
社会からはすっかりリタイア同然の私ですが、バリバリ働くことに少し懐かしさを感じさせられました。


Posted: 水 - 4月 5, 2006 at 04:46 午後              

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