いばらきシネマ紀行・地元奔走ロケの「味方」


03年に撮影された映画・テレビなどは94作品。そのうち54作品が水海道市でロケされている。
話題を呼んだ「ゼブラーマン」もそのうちの1本だ。小学校のダメ教師市川新市(哀川翔)はゼブラーマンに変身、地球侵略をねらう宇宙人と対決する。設定は横浜市だが、小学校などの主要なシーンは水海道市で撮影された。

ロケの窓口になっているのが、市商工観光課にある「水海道フィルムコミッション(FC)」の土井義行(43)だ。携帯電話には「ロケの下見につきあってほしい」「エキストラを手配してほしい」と、ひっきりなしにかかってくる。
土井とロケの最初のかかわりは、社会教育課の文化財担当をしていた96年秋だった。NHKが時代劇の撮影で、市内にある国重要文化財「坂野家住宅」を使いたいと申し入れてきた。土井は坂野家の当主と信頼関係を築いており、スムーズに撮影できた。それから、ロケといえば土井が呼ばれるようになった。
01年は映画「ピンポン」や大河ドラマ「利家とまつ」が撮影された。しかし、公開や放送はいずれも翌年。「役所内では『あいつはいつも何やってんだ』と思われていたのではないですか」
ところが、放送が始まり、毎週のように「協力水海道市」と出ると風向きが変わった。02年に県に先駆けてFC連絡会が立ち上がると、当然のように参加を求められた。03年6月、市にFC推進室が正式に設置された。土井の仕事が理解されるようになった。

撮影隊と撮影場所の間に立って交渉するのが仕事だ。撮影には早朝から深夜まで付き合うことにしている。何があるかわからないからだ。「ゼブラーマン」は4日連続して徹夜になった。
エキストラを集められる態勢も整えた。「ゼブラーマン」でも「先生や生徒のほかにやじ馬のエキストラがほしい」と言われて手配した。市内の電器店「ムラサキ電業社」のおかみさんが元締めの「ムラサキプロ」や染谷工務店の女性社員が中心の「劇団SOME-KO(染工)」などが、エキストラ集めの原動力となっている。
トラブルもままある。子供たちが店を襲うシーンでは、迂回路の設定がうまくいかず大渋滞になった。警察からも市の担当からも怒られた。「毎日どこかで頭を下げている。でも、誰かがそうしないと撮影はできない」
何がそこまでさせるのか。土井は「水海道の名前を売るためといったらかっこいいが、結局裏方がすきなのかも」と笑う。

若者に絶大な人気を誇る三池崇史監督は「着信アリ」「ゼブラーマン」「box」と相次いで水海道市でロケした。「業界で水海道はいいとうわさになっていた。土井さんの携帯番号が勝手に飛び交っていた」
「着信アリ」でロケのやりやすさに驚いた。「窓口は土井さん一本でいい。エキストラは遅くまでつきあってくれる。東京に近いし、宿泊費も安い」
昨年夏に撮影した「ゼブラーマン」では24時間貸してくれる学校がなくて困っていた。「土井さんなら何とかしてくれる」。土井はすぐに市教委と交渉し、小学校が借りられることになった。
おかげで映画の中心である学校のシーンにリアリティが出た。「もう少し早い段階で気づいていたら横浜が想定の脚本をすべて水海道に書き直したのに」と悔やむ。
先生や子供たちの演技もとても気に入っている。「編集段階では役者はカットしても、彼らの演技はできるだけ残すようにした。ある先生が『またここを使ってくれ。今度はもっとうまくなっているから』といってくれて、うれしかったね」
不安がある。映画業界が水海道市の良さにつけこんで、食いつぶさないかということだ。「水海道の人たちに『ロケはもう結構』といわれないように、我々映画人自らが水海道を守っていかなくてはならない。
(敬称略、斉藤勝寿)3/24朝日新聞より

へぇー(20)、知らなかった。
水海道市といえば、私の住む土浦市の隣の隣で親近感があるので嬉しい。
そういえば、今放送中の「新選組!」でも毎回のように伊奈町が使われているようだ。だけど多分これはワープステーション江戸をロケに利用しているのだろう。違ってたらごめんなさい。
私は茨城県を心から愛しているので、こんなふうに活気づくのはとてもうれしい。


Posted: 水 - 3月 24, 2004 at 12:23 午後              

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