消える「30秒のドッキリ」


JR常磐線の取手ー藤代間では、電源の切り替えで社内の照明が一時消える。ところが最近、消えずに通過する新型車両が増えつつある。JR水戸支社によると、取手より北の駅と上野を結ぶ上下200本のうち、約60本で明かりが消えなくなった。3年後には「スーパーひたち」をのぞく全車両に広がる予定だ。

上野行きスーパーひたちが藤代駅を通過して約15秒後、「電源切り替えのためいったん消灯します」とのアナウンスとともに車内灯が消える。照明は30秒後につき、間もなく取手駅に。最初は驚くが慣れてしまえば何ともない。
JR常磐線では上野ー取手間が直流、取手以北が交流と、電車を動かす電源の方式が違う。交流の方が変電所の設置が少なくてすみ、運転密度の低い路線では有利というのがその理由だ。
ほかには水戸線の小山ー小田林間や、東北線の黒磯駅構内にあり、これらは交直切り替えのデッドセクション(死電区間)と呼ばれている。
デッドセクションをなくすには、電源の方式を一本化すればいい。例えば、北陸線米原駅から長浜駅までは交流を直流化した例がある。しかし、常磐線にはできない理由がある。電源を直流にすると、八郷町にある気象庁地磁気観測所の観測に影響を与えるからだ。
常磐線のデッドセクションでは、電車が約500メートルを惰性で走る。乗務員がその間に交直流の回路を切り替える。ところが95年春にE501系車両が登場して、明かりが消えなくなった。地上信号で切り替えを自動にしたうえ、バッテリーで車内灯の電源を確保したからだ。97年に導入された「フレッシュひたち」のE653系にも同じ方式が採用されている。
05年夏から試験的に導入が始まる新型のE531系車両でも明かりは消えない。この車両は06年度中には、明かりが消える現在の車両にとって代わる予定だ。
JR水戸支社では「スーパーひたちは現在の車両を更新する計画が今のところない。3年後にはスーパーひたちを除くすべての車両で明かりが消えなくなる予定だ」と話す。
ちなみに、05年秋に開業する「つくばエクスプレス」でも守谷ーみらい平間にデッドセクションがあるが、導入される車両では明かりが消えないようになっている。(3/9朝日新聞より)

ふーん。
世の中、進歩してるんだなあ。
だけど、普通列車では「明かりが消えます」ってアナウンスはめったに聞かないぞ。
いきなり消えて「ああ、地磁気の観測所のアレね」って納得するのもけっこう楽しかったんだけど。

Posted: 火 - 3月 9, 2004 at 04:37 午後              

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