ため息がでちゃうような庭
うちは庭がなってない。
というより、あれを庭とはよべない。ただの荒れ地だ。
不思議なもので、銀行に勤めていてめちゃくちゃ忙しかった頃は、どんなに庭が
荒れていてもぜんぜん恥ずかしくなかった。
ところが、最近、「こんな庭イヤ!」と思うようになってしまった。
別にヒマな訳ではない。世の流行にまどわされているのだろうか。
花や樹木に囲まれて、優雅にお茶を飲むような庭にあこがれてやまない。
バラのアーチや、ジャスミンの生け垣、石畳、選び抜かれた花・花・花・・・。
いったん作り上げたらおいそれと模様がえなどできない、と思い、自分でレイアウトするために色鉛筆とスケッチブックまで買いこんだ。
一枚も描いていない。
図書館で庭作りの文献を借りてきて研究するんだ、と宣言した。
一冊も借りていない。
今、我が家の庭は、別の意味でため息がでちゃう、のである。