ジュラは平成12年の11月11日に享年8歳で死んだ。
ネコHIVに感染している上に、リンパ腫をわずらい、やせ細って死んだ。
ネコHIVが発症してから1年3ヶ月生きた。
死んだとき、もちろん私はおいおい泣いたけれども、不治の病にかかったとわかり、病状が悪化したときの方が大泣きした。
ジュラになんの罪があったろうと思うと泣けて泣けて仕方がなかった。
泣きながらも、私は必死でできる限りのことをした。といっても、まめに獣医さんに連れていったり、つまったハナを吸い出してやったりするぐらいだったけれども。
病状が悪化したとき、かかりつけの獣医さんも「もうだめだ」と内心思っているようだったにもかかわらず、私の決死の看護と獣医さんの手厚い処置の甲斐あって持ち直した。
ちょっとした奇跡だと思いましたね。
ジュラはもらってきたネコだ。
水戸に住んでいた頃、ちょうど他の兄弟達と生まれたところを通りかかり、親ネコの飼い主が「飼いきれないから全部処分する」と言ったのがしのびなくて、1匹だけもらうことにしたのがジュラだ。
最初は他のネコと折り合いが合わなかったけれど、すぐに仲よくなった。
土浦に引っ越しするとき、うっかり脱走させてしまい、つかまらないので置き去りにしてしまった。
水戸の借家の大家さんが「毎日鳴いてますよ」と連絡をくれたので、1ヶ月後に行ってみたら駆け寄ってきたので保護して土浦に連れて帰った。
ルミーナはジュラのことを忘れてしまったらしかった。水戸では仲が悪い訳ではなかったのに、ジュラが死ぬまで犬猿の仲になってしまった。
ジュラは私の腕の中で死んだ。
よろよろと立ち上がって、私の机の抽斗の裏に行こうとしたところを抱き上げたら、ニャオ、ニャオと2回苦しそうに鳴いてこときれた。
ジュラは幸せだっただろうか?
それを考えると私は胸が痛む。
もっと幸せにしてあげられたのではないかと。
ジュラは幸せだったろうか?