マナ島夢日記

3月21目

 今目でフィジーとお別れである。
 夫以外の唯一の私のファンである、フロントおじいさんとも別れを告げ、バスに乗って空港に向かった。
 空港についたら、いよいよ免税店との闘いである。
 まず、私の父にバランタインの三十年ものを買う。以前、父にこの名品を贈ったところ、水道水と水道水で作った四角い氷で水割りにし、「うまい、うまい」と言いつつ、(そりゃ、そうだろう。水道水の水割りでもなんたってバランの三十年ものだもん)二週間たらずで飲みほしてしまったという、「お父さんたら、もう!」事件がある。そのため、今回これを届けるときは、ロックアイスとミネラルウォーターを添えるつもりである。
 シャネルの口紅を数本買う。猫の世話を頼んだ湯浅ちゃんや、私の母に深紅を選ぶ。
 フォトナム&メイソンの可愛い缶入り紅茶を見つけ、妹へとする。妹夫婦が新婚旅行に行った際には大量のおみやげをもらったので、それ相応に見つくろわなければ。
 義弟にわりとしゃれたTシャツを買う。
 さらに香水売場へと移る。フィジーに来たのだから、フィジーを買おうとしたら、思いのほか高い。そしたら、ミニボトル詰めあわせセットというのを見つけ、その中にフィジーも含まれ、コストパフォーマンスも良かったので、それを妹と、義姉(一番目&二番目)、男性用のを義兄(二番目)に買う。
 義父には何がよいか迷う。バーバリーの帽子、マフラーなど見た挙げ句、スウォッチの時計を選ぶ。
 義兄(1番目)には、レイバンのサングラスを買った。(結局、この二人は互いのみやげをとりかえっこしてしまう。レイバンの茄子型サングラスをかけた義父上は、はっきり言って、怖い)。弟にはクロスのボールペンを買った。
 甥にはブーメラン、姪には何を買ったか忘れた。そして、売店で紙幣をきれいに使い果たすようにチョコレートを買い、チョコレートが好物の先輩へのおみやげとする。
 闘い(買いもの)は終わった。後は、飛行機に乗り込むだけである。
 やがて、飛行機に乗り込む。往きと同じくニュージーランド航空である。このニュージーランド航空に目本人らしい男性のパーサーがいて、その彼は「ウヅチャン・ナンチャン」の「ウッチャン」にそっくりなのだ。ついつい、記念にと盗み撮りをする。


 

 

 やがて、心待ちにしていたウェルカムドリンク。そして、機内食。相変わらず心にくいサービスにいい気分になり、旅は終わった。
 楽しい旅だった。
 思えば、四月に入籍し、十月に抜露宴を行い、三月に薪婚旅行。一年がかりで名実ともに新婚夫婦になったようなものだ。感慨深い。まるで、肩の荷が降りたようだ。
 やっと帰宅し、我々が見たものは、四匹の猫に好き放題荒らされた、狭い我が家であった。

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