マナ島夢日記

3月20目

 今朝でマナ島を発ってしまう。残念である。せめてあと二目は、いたかった。スーツケースを収集する人がやって来た。自分で運ばなくてすむことに、またもや、喜ぶ。見ると、彼は手に紙幣を持っている。今までにもらったチップだろうか。チップの習慣はない、といわれ、今までこの旅行では渡したことがないのでうろたえる。急いでお財布を開けあげるべきだろうか。と、迷っているうちに、出て行ってしまう。「サンキューベリマッチ」とだけ言う。悩む。あの人、もらったお金をポケットに入れず、わざわざ我々の目に入るように手に持っていた。きっと、チッブがほしかったのだろう。悔やむ。この島では、さんざん楽しい思いをしたので、なおさらである。しかし、後悔先に立たず。
 桟橋に、ルーシーは来ていなかった。(やっぱり。)船が来て、みんな桟橋を渡り始める。おおい、ルーシー!あと十メートルぐらいで船、というところで小さな女の子の叫ぴ声が聞こえた。
 「マリー!」ルーシーとナンシーが砂浜のめだたないところにいた。思いきり手を振る。これで、異国のお友達とのお別れのシーンは、終わった。
 船に乗る。
 これで首都ナンディのあるビチレブ島へ戻るのである。この船が結構大きくて、船室には小さなドリンクバーがある。「飲みものでも頼んでみよう。」ということになり、ジンジャエールを注文する。バーにいた男性が冷蔵庫を覗いて「ない」と言った。ないのなら、コークでもよい、と言ったら「まあ、待て」と言う。そして、明らかに冷えていないらしいジンジャェールが持って来て、バーの男、瓶を触って目本語で「アツイ」と言った!そりゃ、「ぬるい」と言うのだろうが!以来、このネタも夫と私の間で笑いの種になっている。「アツイ」ジンジャエールには、氷を入れてくれた。
 私、また眠る。だって、時間かかるんだもん。やっと、本島についた。
 到着したときと同じ現地ガイドさんが出迎えてくれた。
 バスで、各々のホテルに向かう。
 私達の泊まるホテルの名は「ホテル・ドミニオン」という。格安ツアーなので、どんなところか心配であったが、とってもいいホテルだった。安心する。
 玄関に小さな机と椅子があり、そこに恰幅のいい初老の男性が座っていた。
 まず、夫が挨拶をした。老人は「ブラ(フィジー語でこんにちはの意味)」と普通に答えた。次に私が「ブラ」と言ったら、老人は途端に超愛想が良くなり、極上の微笑みを浮かべ、「ブラー!オーマイディア!」と、がっしり握手をした。なんなんだ、この違いは。と、夫はしきりにぼやいていた。
 我々夫婦の他に、一組、目本人の若夫婦がいた。この人達も、私に劣らず人見知りしないようで、食事をどうするのですか、と聞いてきた。フィジーは、土目はほとんどのお店が閉まってしまう。が、免税店やレストランで少しぐらいあいてるところはあるんじゃないでしょうか、と私、いいかげんな回答をする。そこで、タクシーを相乗りしてナンディまで行ってみましょうか、ということになる。さっきの私のファンの老人にタクシーの手配を頼む。再び、抱きしめんばかりの愛想の良さ。28年生きてきて、夫以外の男性にこんなにもてたのは初めてである。
 タクシーは、初目のおしゃべりジョージとはうってかわって、寡黙なドライバー。が、愛想が悪いわけではない。「昼メシを食べたいのだ。」と言ったら、開いているレストランに連れていってくれた。
 迎えに来てもらうよう、時間を約東する。
 またもや、中華飯店。そして、またもやヒット。ビールを飲みながらタイ米の妙飯を食べた。少女のようなウェイトレス(多分、家族)が、可憐であった。私のいいかげんな回答はほぼはずれた。若千開いているお店があるものの、免税店は閉まっていた。これでは、時間のつぶしようがない。しかたがないので、ほとんどのお店が閉まっている商店街をブラブラし、開いているファーストフードのお店で、飲みものを飲むことにする。またもや、親切なおぱちゃんで、飲みおえても休んで行くがよい、などと言ってくれた。
 やっと、約束の時間が近づいたので、降ろしてもらった中華飯店の近くに行くと、同宿の若夫婦がいた。えーかげんなことを言ってしまったことを詫ぴる。許してくれる。
 新婚旅行ですか、と聞いたら、違うという。新婚は新婚であるが、ほやほやではなくて、新婚旅行も格安ツアーで行き、もういっぺん海外旅行をすることにしたのが、今回の旅行とのこと。なんとなく、いいなあ、と思う。
 ホテルに戻り、ホテルのレストランで夕飯を食べる。ラムステーキ、なかなかいけたが、ちょっと固かったかな自もちろんワインつき。
 庭を眺めながら戻ることにする。みやげ物店もある、けっこう大きなホテルである。
 なぜか、庭にトランポリンがあって、もちろん私は乗ってみた。
 セルフタイマーで部屋でくつろぐ模様を撮り、寝た。

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