今から10年前のこの叫ぶ詩人の会のコンサートは、とても印象的な思い出があります。
その頃、私は、着物でお出かけすることに凝っていて、このコンサートへも着物を着て行ったのです。
この日のオーディエンスは、なんていうか、とってもお行儀が良くて、おとなしーく座って聴いてました。
でも、ノリノリの曲になったら、立ち上がって盛り上がるかな、と思っていました。
「ハタ坊のおでん」という、人気ナンバーがあるのですが、その曲になっても、みな座って聴いてました。
え〜、うっそ〜ん!この曲も座って聴くの〜?
私は、なんか、自分がレニー・クラヴィッツのコンサートに行ったボニー・ピンクになったような気持ちになり、勇気を出してサビのところですっくと立ち上がり、こぶしを振って歌ったのです。
「おでん!おでん!おでん!」
あと2~3人くらいは立った人いるかな?と思いましたが、私ひとりでした(笑)
やがて曲は終わり、MCになり、ドリアンさんが話し始めました。
「おれたちは、今までライブにゲストを呼んだことはありませんでした。でも、今日はゲストをお迎えしています。そのゲストは・・・」
ざわめくオーディエンス。
「おまえだー!!」
なんと、私を指さしたのです!!
私は、スタッフに誘導されてステージに上がりました。
すばやくビール箱が用意され、私はその上に立たされました。
「きみ、名前は?」
「まりこです」
「よーし!」
そして始まったのは、映画・メジャーリーグでおなじみの「ワイルド・シング」
サビのところを、ホールにいる人間全員で
「まりこ!」
と大合唱。
「ハタ坊のおでん」と「ワイルド・シング」を聴くと、このコンサートのことを思い出します。