Subscribe to A PIECE OF PEACE Subscribe to A PIECE OF PEACE's comments
Comments off

物忘れとボケの境

実印、出てきました。

帰省した弟がごはんを食べている食卓に乗ってました。

そうです、私は通帳をつくるために弟に託していたのでした。
それを忘れていたなんて…。

やみくもに探さなくてよかった。徒労に終わるところでしたよ。

今年76歳になる父も、かなり???な状態なので、アルツハイマー検査に家族3人で行きたいと切望しているのですが、ボケがシャレになる人は怒らないけれど、シャレにならない人って、その話題になると激怒するらしい(もちろん父もそう)ので、母と困り果てています。

でも、証拠はいくつかつかんでいるので、それを逮捕令状のようにちらつかせて、なんとしてでもしょっぴいて検査に連れて行くつもりです。

私自身も若年性アルツハイマーを、かなり疑っているし。

さて、病院探しをするかな。


かみね動物園で、ライオンの赤ちゃんと触れ合えるというニュースを観た私は、友達を誘い、今日行ってきました。

部屋はしっちゃかめっちゃかだし、体調は訳わかんないし、そんなときになぜ?

と、お思いでしょうが、それには理由があるのです。

まず、赤ちゃんがいるということが稀。

その赤ちゃんを抱っこできるということが非常に稀。

しかも、入園料500円が今月10日まで無料。

という条件と、さらに、こどもらが春休みというタイミングが重なり、すんごい人出。
触れ合いの時間は11時と14時なので、14時をねらって13時半に並べばいいかな、ぐらいに考えていたのですが、大甘でした。

かみね公園が近づくにつれて、車の進み具合は遅々とし、とうとう14時になってしまいました。
かみね公園に電話したら、整理券はとっくになくなってしまったとのこと。
そして私は、動物園入り口という坂の下で膀胱の限界を感じ、友達に「降りてトイレに行ってくる。そして、他人が抱っこしているライオンの赤ちゃんを撮ってくる」と言って車を降りました。

坂をのぼり(駐車場待ちの車の列がハンパじゃなかった)、エントランスすぐのトイレに入り、カバさん広場で行われているという触れ合いタイムを目指しました。

私と同様、整理券を持っていない人も、ニコニコして写真を撮ったりビデオを回したりしています。

そして、スタッフの方が「はい、次の人」と呼ばれて出てきたのは、お一人様の女子でした。
私は勇気を振り絞って「あの、一緒に入らせて頂けませんか?」と頼んでみました。
彼女は困った顔をしたので「あっ、いいですいいです。すみません、ほんとに」と、波が引くように後ずさりしました。
しかし、いざ、彼女の順番になり、ひっくり返したビール箱に座らされ、ひざ掛けをかけられた彼女は私に向かって手招きをしたのです。

「えっ、いいんですか!」

弱々しく微笑む彼女の隣にどっかりと座り、お日さまの匂いがするライオンの赤ちゃんをふたりで抱っこしました。
可愛い、可愛い、と言いながら。

ライオンの赤ちゃん、めっちゃ可愛ええ!!

彼女はコンデジで撮っていたので(動物園のスタッフがシャッターを押してくれる)、「アドレスを教えて頂ければ、添付で送ります」と声をかけたのですが、彼女は手を振り、雑踏の中に消えて行きました。

さっそく液晶パネルで確認し、私は、激しく彼女の邪魔をしたことを悟りました。

ライオンの赤ちゃんを抱っこする、可憐な彼女。の隣にでぶで不細工な中年女。

彼女のメモリーにシミをつけてしまいました。

でも、私はすごく嬉しかった。
1度は断ったものの、彼女は整理券を持っているラッキーのおすそ分けをしてくれたからです。
彼女は、幸せの貯金をしました。
いつか、誰かが彼女にラッキーのおすそ分けをするでしょう。

ありがとう、お一人様の彼女。

やがて友達もやっと駐車場入りを果たし、幸い、触れ合いタイムが終わっていなかったので、間近でライオンの赤ちゃんを観て嬉しそうでした。

お昼も食べていないし、かみね公園は以前じっくりと観たことがあるので、ヤギにえさをやって、帰ることにしました。

うすうす感づいていらっしゃる方もいると思いますが、友達というのは、元夫です。

今日は、遠くまで運転してくれてありがとう。ライオンの赤ちゃん、ひとりで抱っこしちゃってごめんね。


Comments off

4月1日のバカ

今日は、10時に水戸駅南にあるヘアサロンで、カット&ヘッドスパの予約を入れておいた。
けど、もう耳にタコ!と言われても反論できないですが、なんとも体調が悪くて、今日は9時まで!寝てしまった。
幸い、iPhoneアプリのナビは設定してあったので、その通りに車を走らせたら、まさかの「目的地付近に到着しました。お疲れさまでした」パターン!
うっそ〜ん。
結局電話して場所を聞いた。
幸い、予約は空いていたらしく「大丈夫ですよ〜」とにこやかに接客してくれた。
ヘッドスパって初めてだったけど、脳みそが溶けるかと思った。

あ?

もしかして、このときに溶けていたのか?この後の出来事を考えれば。

ソフトバンクの名義変更がまだったので、50号沿いのショップで変更。
近所のロックシティは、当分閉鎖みたいなので。

そして、話は長くなるのですが、私は住信SBIネット銀行に口座を持っています。
ヤフオクで落札したものがあったので、ジャパンネットバンクに660円振り込む必要がありました。
で、住信SBIネット銀行の残高が550円だったので、近所のセブンイレブンで1,000円入金しようとしたら、エラーではじかれる。
コールセンターに電話したら、今、再発行中(名義変更のため)につき、ATMの入金はできないことになっているって。え〜!?まじで!?
で、ネットバンキングの操作はできるけれども、新しいキャッシュカードでないと、ATMで現金入金はできないんですと。
「発送済みにはなっているのですが、配達記録のお問い合わせ番号をお知らせいたしますか?」と、オペレーターがぬかすので、私は意地悪く「それを聞いて何になるんですか?」と言ってやりました。

で、出品者の方には事情を説明し、新しいキャッシュカードが届き次第振り込むということで了承してくださいました。

そして今日、「あ!月が変わってるじゃん!新生銀行にATMで入金して、そこから住信SBIネット銀行に振り込めば、ジャパンネットバンクに振り込める!」

と、速攻でセブンイレブンで新生銀行に1,000円入金し、帰宅し、手も洗わないでMacを開き、振り込みをしたのですが、タイムオーバー。
新生銀行は2時半までが当日扱いの振り込みで、それを過ぎると翌営業日扱いになるのです。
意味ないじゃーん、と振り込み予約を取り消し、母に「急用で一旦戻ってきたけど、まだ用足しがあるから出かける」と行って、再度外出。

常陽銀行の口座の名義変更をしよう。と最寄りの常陽銀行に行きました。

そして番号札を受け取り「名義変更と住所変更をお願いします」と言って、通帳とキャッシュカード、届け出印を出しました。
しかし、それは、届け出印ではありませんでした。

サバイバルナイフ!!

強盗か!!

バッグのファスナー付きポケットに実印(兼通帳印)だと思って入れていたのは、これだったのです。
大きさが、ほぼ同じだったから、上から触って「よし、持った」と思い込んだのです。

ぺこぺこ謝って銀行を後にし、給油をし、あ、さっきの1,000円おろしておこう、とセブンイレブンに寄りました。

そして、ジュースなど買い、車に乗ってバックしたら、ガーン!と衝撃が。
後ろを通過しようとした車が居たのでした。

・・・・・・。

車を降りて、無言で頭を下げました。
運転手の方は、苦笑して「後ろ、ちゃんと見ないと」と、大変温厚で好意的な方だったのが救いです。

先方の被害は、サニー(社用車だそうです)のバンパーに25センチぐらいの傷がついただけ。

私の1107は、トランクに擦りながら引っ掻いたような傷ができ、キーでは開くけれどもオープナーでは開かないという状態でした。

保険会社に連絡し、警察の方に検分してもらい、ふらふらになって帰宅。

母にモロに感情をぶつけられ、カンプなきまでに叩きのめされました。

被害者の方の方が優しかった…。
お巡りさんに「そんなにスピード出てませんでしたよ」なんてかばってくれて。

1107は満タンなのに、私の心はエンプティ。

数時間爆睡してしまいました。保険会社が手配してくれた修理工場から電話があったのに、着信に気づかなかったくらい。

私のバカヤロウ。

ちなみに、この話の中に、ウソはひとつもありません。


Comments off

お気に入りのポエング

昨日、ブルドーザーで邪魔者をどかすように無理矢理モノをおいやって、座れる状態になったポエングです。


ちょっと目を離すとかんちゃんに占拠される。


ポエングから観た三田さん。


しかし、部屋はこう。


日向ぼっこする猫ら。


Comments off

ま、なんとかなるさ

昨日は、かなりショックなことがあったのと、自分ではわからないのですが疲れがたまっていたのか、7時まで寝てしまいました。
いつもは、5時前には起きるのですが。

ブルーレイ再生専用機を買ってしまったことは、おいおい流れにまかせることにしましょう。
一応、ヤフオクに買った値段即決で出品しましたが、どなたか買ってくださる方いらっしゃいます?
39,800円です。モノはこれです。

今の体調は、喉が痛いのですが風邪って感じではない。そして舌にしこりができている。タコみたいな。

それ以外は、かなりいいです。

ペット用ドアくぐーるの取り付けは無理だと思うので、とりあえず、部屋の片づけに専念しようと思います。

明日は、グルーポンwで買ったヘアサロンでカット&ヘッドスパしてもらい、明後日は友達とかみね公園へ、日曜は教会へ。

そうそう、今さらですが手帳を新調しました。
適当手帳

昨日届いたのですが、開封する気力もなく、さっき開けてみたら、なんとまあステキなこと!
すごく苦労してエトランジェ・ディ・コスタリカの1月始まりのリフィルを入手したのですが、使うのやめやめ。
純ちゃんの適当手帳を愛用していきます。私にはちょっと大きいのが難点だけど。


Comments off

やっちまったなぁ!

がーん。
姉さん事件です。(姉はいないんだけどさ)

ブルーレイレコーダーだと思い込んで機器は、な、な、なんと再生専用機でした!

さっき、録画をしようとしてマニュアルを読んで気がついた。

仕方がないので、同じお店で録画機能がついているもの(東芝のは1機種しか在庫がなかった)をポチりました。
念のため、その商品と交換して頂くことは可能ですか?と電話で聞いたところ、通電してしまうと返品はできないそうなのです。

仕方がないので、ヤフオクに出しました。

どうか、どなたか落札してくださいますように。


なんか、ブルーレイレコーダー、すごーく薄くて軽くて、すごいハイテクの機器に見えないW

とりあえず、テレビの下に直に置き、午後に手頃なラック(なんならDIYで台でもいいや)を買いに行こうと思ってました。

隣の弟の部屋で、母が片付けというか模様替え(勝手にやっていいのか)をやっていたので、私は母の家庭内避難所から勝手に持ってきたビニール製のポーチを持って、

「お母さん、これもらっていい?」

と、聞きにいったら、ちょっと大きいけど余っているAVラックが!
聞けば、弟は使っていないらしいので、もらって、レコーダーを入れる棚の裏板をのこぎりでギコギコ切って、なんやかんやと駆使してこうなりました。

後ろの配線はこう。

LANケーブルもつなぎたかったんだけど、余ってるのが10メートルぐらいのものしかなかった。


いつもだったら無視しちゃう、転落防止フックも、このご時世なのできちんとつけました。
これで、前に倒れる心配はなし(のはず)。

下の観音開き部分がのDVDを前後に入れられそうだから、簡単に取り出せる箱のようなものを調達しよう。

あと、同軸ケーブルをステープラーで留める、と。

お昼は食欲がないので、パス。


お気に入りのポエング(IKEAで買った椅子)は、こんな状態になっているのですが、ブルドーザーでどけるように乗っかっているモノをどかして、ゆっくり座っていいとも!観ようかな。

しかし、乗っているものが支離滅裂というか、ディスオーダーというか。


Comments off

ベストな道

もちろん、研究開発にかかる時間と費用を鑑み、原子力発電に関する安全性のさらなる向上を目指すという選択肢もあります。どの選択肢を取るかを決めるのは国民の民意です

私は、理系に強くないし、いろんなことに不勉強だけれど、今、ベストの選択は

原子力発電に関する安全性のさらなる向上を目指す

だと思う。

いや、確信も自信もないですけどね。

免責だとか、責任はどこにあるのかとか、責任のなすりあいをするよりも、被災地、プチ被災地、そのとばっちりを受けて不便を強いられている地域の人たちが、一刻も早く日常を取り戻すことが先決だと思う。


Comments off

被災ダイアリーズ vol.2

えーと、基本的に、加筆・修正はしません。

思い出せたことを、できるだけ時間軸に沿って書く、それが第一の目標です。

で、vol.2は、3月11日の番外編です。いきなり。すみません。

今回の地震に遭った中で、ツイていたことです。

私は、1月28日に出戻って引っ越してきたのですが、すでに前の家で結婚生活を送っていた時点で、心身ともにかなり疲弊していました。
そこに、無理が幾重にも重なった引っ越しを強行したのと、やはり、離婚・引っ越しはさらに私にダメージを与え、2月は私にとって存在しなかったも同然でした。
2月の下旬あたりに、やっと食事の後片づけを母と代わることができるようになっていました。

でも、体調は波があり、突然廃人化したり、抵抗力が落ちているのですぐ風邪をひいたり、汚い話ですが、お風呂に入らない日は多かったです。

地震の前の日まで数日寝込んでいて、前日に私は数日ぶりにお風呂に入っていました。
よかったです。ラッキーなタイミングでした。
地震以来、1週間、お風呂に入れませんでしたから。

そして、引っ越しの後片づけをだらだらとしていたおかげで、玄関にキャンプ道具が置きっぱなしになっていました。
普通の家は、玄関にキャンプ道具は置いていないでしょう。
普段のわが家だってそうです。
ラッキーでした。
その道具の中から引っ張り出した、LEDヘッドライトは大変重宝しました。

それから、前日に、大量にペットフードを買い込んでいました。
買い占め行為ではなく、カスミが全品1割引だったので、引っ越しでストレスを与えている犬猫に、ちょっとだけおいしいフードをたまにあげて許してもらおう、と、パウチや缶詰めといった、ウェットフード(ドライフードよりも高い)ばかり買っていたのもラッキーだったと思います。
引っ越しどころではないストレスを与え続けることになるので、ご褒美フードをたくさん買っていたことは、心に余裕をもてる一因となりました。

なぜか、通帳と印鑑をきちんと整理して、容易に取れるところにしまってありました。

常用薬(血圧、コレステロール、メンタル関係)を入れた箱が、落ちずにぽつんと棚に残されていました。
「ここにありますよ、取ってください」といわんばかりに。

これぐらいですかね。

思い出したら、また唐突に書きます。

自転車でスーパーに買い物に行った母は、お店について自転車をおりたところで地震が来たそうです。
大きなショッピングセンターが、すごい音を立てて揺れていたそうです。
靴屋さんの店長さんが飛び出してきて、駐車場に植えてある木につかまったので、母もそれに倣って木につかまってしのいだと言っていました。

母は後で「もうちょっと早く行っていれば、食料品を買えたのに」と悔いていましたが、私は逆に、あの日「徹子の部屋」を観なかったら、自室で本棚の下敷きになっていたかもしれない、と思いました。
高田純次さんは、命の恩人と言えるでしょう。
でも、もうちょっとで洗い物が終わるところだったので、それは残念でした。
シンクが片づいていないと、他のところで心のたるみが出るような気がしますから。母もそう言っていました。

あと、お醤油。

今回の震災での、私の最大の汚点です。

あれ以来、液体には必ず蓋を!が母と私の合言葉になりました。

<眠くなって脳みそがつるつるになってきたので、続く>


Comments off

被災ダイアリーズ vol.1

今日は、3月28日。

先月離婚した夫と一緒に暮らし始めた日で、完全放置状態の(blogに押しやられて)ウェブサイトを立ち上げた日。

すっかり部屋を片づけて、落ち着いてから、3月11日以降のことを書こうと思っていたけれど、そういう思い入れのある日だし、新年度の見切り発車をしたことだし、とにかく、手をつけなければ、足を踏み出さなければ、と思い、書き始めることにしました。ただし、10時まで。スマスマ観るんでw。

3月11日(金)

この日、私はだーい好きな高田純次さんがゲストの「徹子の部屋」を観たあとに、東京在住の妹とスカイプをする予定だった。カレンダーにもそう書いてある。

お昼ごはんは、私がカレーピラフをつくり、両親と食べた。笑っていいとも!は観たかどうか、覚えていない。父が録画した韓流ドラマを観たのかもしれない。
私は「徹子の部屋を観ていい?お父さん」と、テレビの時間を譲ってもらい、3人で純ちゃんのばかばかしい話にひーひー笑った。
徹子の部屋が終わり、私は食器を洗い、母は自転車でスーパーに買い物に出かけた。
洗い物のとちゅうでぐらぐらと地震が来た。
私は、地震は怖くない。
怖がったところで、どうしようもないから。
だから、揺れながら洗い物を続けた。
そしたら、食器戸棚の扉がばーん!と開いて、がちゃがちゃとグラス類が落ちて割れ始めた。
私は(もったいない!)と思い(←バカ)、水道を止めて食器戸棚の扉を閉め、押さえた。かなりしばらくの時間(←繰り返しますが、バカ)。
しかし、揺れは激しくなる一方で私はやっと(あ?これってもしかして、食器戸棚が倒れて下敷きになるパターン?)と、シャレにならない事態だと気づき、その場を離れ、2階に上がり、自分の部屋のドアを開けた。

たまげた。

ちゃんとL字金具で壁にねじ留めしておいた本棚が倒れ、私の部屋はカオスになっていた。

猫は!?
犬は!?

ここらへんの記憶はおぼろげ。

かんちゃんは、階段を降りて家の外に出てしまったと思う。

ミラとルミは発見できた。
しかし、ララちゃんがいない。
まさか、この本棚の下敷き!?

猫は敏捷だから、その可能性はかなり低いと思ったのですが、私はある話を思い出していたのです。

それは、椎名林檎さんの飼い猫の話でした。
ちょっとおっとりした猫で、何かのはずみで大きな姿見が倒れ、下敷きになって死んでしまったそうなのです。
それは、すごく壮絶な光景だったそうです。
鏡の破片と、血と、猫の死体。

私は、ララちゃん!ララちゃん!と叫びながら、本やCDやDVDやがらくたを掘りました。死体が出てこないことを祈りながら。

どれくらい探していたかわかりませんが、私は、少し落ち着いて、もしかして、下敷きになっていないのでは?と、かなり可能性の高い思考を頭に浮かべることができました。
がらくたの下からロフトベッドの梯子を引っ張り出し、苦労してベッドにかけ(安定させないでのぼると落ちてケガをする可能性大、と予想できるまで冷静になれた)、ふとんをめくると三毛猫の背中が見えました。

「ララちゃん!」

かなりおびえていて、布団に爪をたててしがみつきましたが、私はそれを引っぺがして抱きしめ、号泣しました。

今回の地震で泣いたのは、今のところこのときだけです。

ベッドでララちゃんを抱いて放心していたら、また大きな揺れがきました。

かんちゃんはそんなに心配ないけど、猫を見失ったらお終いだ。
そう思って、私はまず、猫をケージに入れることにしました。
押し入れ(というか物入れ)を開けてびっくり。
衣装ケースの上に置いていた、猫草用のプランターが落ちて、猫のケージが泥だらけになっていました。
その小さなプランターは、衣装ケースのかなり安定した位置に置いてあったのです。それが落ちるほどの揺れ幅だったと思うと、すごい。としか思えませんでした。
猫は3匹ですが、手は2本なのでケージはふたつしか用意していませんでした。
幸いララちゃんはまだ1歳未満の仔猫で、ルミはかなり小柄な猫。この2匹を大き目のケージに入れ、1匹用のケージにミラを入れて私はこの家に戻ってきたのです。
しかし、痛恨のミス。
怯えたララちゃんは、火事場の馬鹿力で私の握力を超える力を発揮し、私の手から離れてどこかへすっ飛んで行ってしまいました。家の中なのか、地震で開いてしまった窓から外に出たのか、わからない。
もう、私、泣きそう。
探し続けるのは時間をいたずらに浪費するだけだと結論を出し、ルミとミラだけをケージに入れて、大きな揺れがすっかり収まったころ、おのおの後片づけを始めました。
あまりのショックで、私はぶっちゃけしばらくぼーっとしていたかったのですが、母がてきぱきと働いているので、できる限り手伝いました。
そしたら、母がひそひそと言いました。

「お父さん。ちょっとヘンになってる。屋根瓦のかけらなんか拾ってるのよ。それよりも他にやることがあるでしょ、って言ったら『人を傷つけるな!』って怒鳴ったの」

たしかに、落ちた屋根瓦なんて、1番後回しでかまいません。
生活空間をまともに戻すことが最優先です。

電気も水道も止まっています。ウチはプロパンガスなので、ガスは使えますが、災害アナウンスで「ガス管が破損しているおそれがありますので、ガスの使用はお控えください」と報じていたので、使えませんでした。

どんどん暗くなっていきます。

間の悪いことに、その日私は、キャンプ仲間のYasu@Ducksさんちで醸造しているおいし〜いお醤油の王冠を栓抜きで開けて醤油挿しに移したのですが、残りが入っている一升瓶に密閉できる蓋をしていませんでした。開けた王冠を軽くポンと押して閉めただけでした。
それはもちろん地震で倒れ、キッチンはお醤油の匂いが充満していました。
母は、ボロ布を駆使しておしょうゆを拭いていました。
「ごめんね。ちゃんと閉めなかったから」と謝りながら、私も拭きました。
ガラスの破片とお醤油が入り混じって、危なくて大変な作業でした。

やがて日が暮れたので、私は、庭で本当〜にどうでもいい作業をしている父を呼びに行きました。

「お父さん、暗くなったし寒いから家に入ろう」

すると父は、

「そうだな。そろそろお風呂に入ろうかな」

と言ったのです。

惚けたか。
私は平成を装い、かるーい感じで

「お父さーん。何言ってんの。ガスも水道も止まってるよ。お風呂は無理」

と言って、父の肩を抱き、家に入りました。

「ええ、あのときの地震のショックで惚けたんです」って、説明することになるのか、と思いながら。

そうそう、かんちゃんは、テラスの柱につながれていました。
逃げられないように、つなぐのに使われた荷造り紐を慎重に切り(ぐるぐる暴れたのでボロボロになってほどける状態ではなかった)、父を家に入れてからかんちゃんを連れて家に入ったような記憶があります。

<切りがいいし、21:59になったので続く>