星守る犬を見てきました。
先日、両親に、
「来週の水曜日、映画観に行かない?」
と誘ったら、父が、
「どんな映画?」
と聞いてきたので、原作をいったいどれくらいアレンジしているのかわからなかったので、
「うーんと、人生に挫折した熟年男性が愛犬と旅をして白骨死体で見つかる映画」
と言ったら、
「行かない。真理子とお母さんのふたりで行ってきて」
と言われてしまいました。さもありなん。
でも、絶対当日になったら、
「お父さんの分は?」
と言うに決まっているので、指定席が取れる時間帯になるのを待って、ネットで迷うことなくベストシートを3枚予約しました。
そして、おととい、母に、
「お母さん。明後日、映画だよ」
と言ったら、案の定、父は、
「お父さんもつきあってあげてもいいよ」
と言いましたね(笑)よかった、3枚買っといて。
そして、14時30分の上映だと知ると、昼食をごちそうしてあげようと言ってくれました。
でも天気がよかったので、おふとんを干すことにして、お昼を家で食べて、父にはお夕飯をおごってもらうことに予定変更。
私は本来、すっごく涙もろくて、人前で感極まって泣くことをいとわないのですが、去年はかなり余裕がなくて、原作を読んだとき、たしかに感動しましたが、泣けませんでした。自分のことでいっぱいいっぱいだったからです。
元夫は、トイレにかくれて泣いていました。
別に、私の前で泣いたっていいのにね。
今回は、私、泣きました。
一緒に観てるのは両親だし。(他人の前でも平気で泣くし)。
鼻は4回かみましたし、えぐっ、えぐっ、と嗚咽しましたし、最後はハンカチで顔を覆って泣き声がもれないように(さるぐつわか!)びーびー泣きました。
まったくもって、あやしくて変なおばさんです。
そうそう、思いがけないflukeがありました。
玉山鉄二くんが出ずっぱりだったことです。
出演していることはもちろん知っていましたが、あれほど重要な役どころだとは思っていなかったので。
まるで、エコノミーシートをダブルブッキングされたために、その料金でビジネスシートに案内されたような???(経験ないけど)
彼、宮田くんにそっくりなんだよね。
この映画は、役柄上、満面の笑みは見せなかったけど、くしゃっと思いっきり笑った顔がそっくりなの。
かおりちゃんは、岡田准一くんに似てるっていうし、私もそう思うし、最初はDAIGOに似てると思ったし、どっちにしろ宮田くんは美しい人だってことですわ。
西田敏行さんが息を引き取ったあと、ハッピーが西田さんの顔をぺろぺろなめるシーンと、玉山くんが飼っていたクロが亡くなるシーン、のんちゃんが天に召されたときのことを思いだしました。
荼毘に付すまで部屋に寝かせておいたのですが、かんちゃんはのんちゃんが嫌がらない(そりゃ、死んでるからね)のをいいことに、顔舐め放題だし、猫は上に乗っかって寝てるし、私は思わず「きみたちは人でなしだ!」と叫んでしまいました。
良く考えたら、確かに人ではないわ。
のんちゃんが天に召されたとき、私は食後の洗いものをしていました。
元夫が、
「のんちゃんがぐったりしてる!」
と、呼んだので、驚いて2階に駆け上がると、舌がすでに白くなっていました。
「のんちゃん!のんちゃん!」
と、抱いてゆすったのを覚えています。
いつものように寝てると思ってました。
実は、死んでました。
文字通り、眠るように逝ってしまったのです。
だって、2時間前はお夕飯をつくる私にまとわりついて、生のブロッコリーの茎をボリボリと食べていたんですよ?
数時間後に天に召されるなんて想像もしませんよ。
もちっと、迷惑をかけてくれてもよかったのに。
いい子すぎるよ、のんちゃん。
と、何度も何度も思いましたっけ。
猫は、神がつくりたもうた最高の愛玩動物だと思うけど、犬って、不思議な存在だな、と思う。
犬は親友だね。
そして、しもべ。
絶対に裏切らない、しもべ。
そして、あるじの姿を写しだす鏡。